東京・池袋にある「中国卓球教室」。中国出身で元中国ジュニアチャンピオンの実績を持つ孟祥瑞 (もう・しょうずい)コーチがオーナーを務めるこちらの卓球場は、初心者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせた質の高いレッスンが受けられる卓球場だ。
一見、怖そうに見える孟コーチは、本場中国仕込みの高い技術や優しく丁寧な指導でお客さんからも評判。レッスンを受けに来る生徒の課題や改善点をすぐに見つけ、的確なアドバイスやレッスンを行い、生徒を必ず上達させることから「卓球ドクター」とも称されている。
今回はそんな孟コーチが運営する「中国卓球教室」についてのお話や、孟コーチのこれまでの歩み、指導者として大切にしていることなどについて伺っていく。
- 目次
- 新潟でコーチとしてのキャリアをスタート
- 卓球用具の会社で働いたのちに中国卓球コーチに
- 個人レッスン中心 少人数で卓球教室も再開
- 老若男女 初心者でも経験者でも大歓迎!
- 「世のため人のため」“卓球ドクター”の思い >
新潟でコーチとしてのキャリアをスタート
―孟さん、今回はよろしくお願いいたします
よろしくお願いします!
―中国卓球教室を始められたのはいつですか?
実は、この中国卓球を始めたのは私ではありません。私の後輩が2007、8年ごろに始めて、2009年から私もここに来ました。半年ほどここで働いて、その後は仙台育英学園高校卓球部のコーチとして3年間働き、その後また戻ってきた形です。実際に私が1人で中国卓球を運営するようになったのは2014年ですね。
―中国卓球教室で指導をする前は何をされていたんですか?
1996年から新潟県体育協会の保健科というところで卓球コーチとして、新潟県内の北越高校と青陵高校の生徒たちに指導をしていました。2007年まで10年間、新潟県内の高校生を指導していて、その後3年間ほどはジュニア世代のトップ選手たちに卓球を教えていましたね。
卓球用具の会社で働いたのちに中国卓球コーチに
―日本で卓球の指導をきっかけはどういうものだったのでしょうか?
恩師が私を日本に紹介してくれたことが日本に来るきっかけになりました。新潟県で高校生の指導を10年間やって、その後はTSP(現・株式会社VICTAS)という会社に入りました。
このTSPという会社は一流の卓球用具を作っている会社で、私が選手としてプレーしていた時代は世界中でTSPの製品を使っていました。卓球用具の質が本当に良くて、TSPに入社することが私の小さい頃からの夢でした。そして、念願かなってその会社に入社できたのですが、貿易部に派遣されることになりまして。卓球を教えながら日本中を回る予定だったのですが、貿易部に入ったら海外担当になるので、卓球から少し離れてしまったんですよね。貿易部での仕事は自分の得意分野ではなかったのですが、「仕事だから」と真剣に取り組んでいました。しかし、最終的にはやはり自分が一番やりたいことは卓球を教えることだなと思い、2年ほどでTSPを辞めて、中国卓球で指導をすることになりました。
―この中国卓球教室に来られたきっかけはどういったものだったのでしょうか?
この中国卓球を運営していた私の後輩が「辞めるのでなんとか受け継いでもらいませんか」と言ってきたのです。
当時、本場中国の卓球が体験できる場所というのは池袋では他にはありませんでした。当時は「中国卓球道場」という名前でしたが、私は「道場」だと硬いイメージになってしまい、お客さんが入ってきにくいのではないかということで、「中国卓球教室」に名前を変えました。少し柔らかく、「道場」よりは入りやすいようなイメージにしたかったのです。
「中国卓球」というだけでも本格的な感じがして入りにくいじゃないですか。初心者の方や一般の方も大歓迎で受け入れるようにしていますので、そこは少し勘違いされてしまっているところもありましたね。
個人レッスン中心 少人数で卓球教室も再開
―営業内容としては、レッスンが中心ですか?
個人レッスンをメインにしながら、グループレッスンもやっています。コロナ禍ということもあり、大人数での卓球教室は休止していましたが、親御さんからの要望も多いので、今月から子供たちの卓球教室を再開する予定です。コロナの状況も落ち着いてきましたので。6人から8人程度の少人数で行う予定です。
―レッスンの料金を教えてください
個人レッスンでいいますと、私のレッスンは50分で7,000円です。他のコーチ陣は60分で4,000円、5,000円、6,000円のパターンがあります。卓球教室の料金ですと、90分から100分で1人3,000円です。
―営業日や定休日、営業時間は決まっていますか?
決まっていないですね。年中無休です。私が他の卓球場にレッスンに行ったり、出張レッスンにいくときは他のコーチに見てもらったりしています。営業時間は午前10時から午後10時までです。日本に来て20数年経ちますが、自ら休みを取ったことはほとんどないですね。体にはよくないかもしれませんね(笑)。
老若男女 初心者でも経験者でも大歓迎!
―どういったお客さんが来られることが多いですか?
一番多いお客さんの層というのは40代50代ですね。本来は卓球場にいらっしゃるお客さんは女性の方が多いのですが、この卓球場ではなぜか男性が多いです。みなさんバリバリ打っていきますね。私ももう少し若ければいいんですけど、1日8時間とか7時間連続でレッスンすることもよくあるので、最近はちょっときついなという感じですね(笑)。
あとは子供やジュニアの年代のお客さんもよくいらっしゃいますし、年配の方もたくさんいらっしゃいます。
―孟さん以外のコーチはどれくらいいらっしゃいますか?
私の他に5人くらいスタッフがいます。中国人留学生ですね。中国の留学生はレベルが高くて、みんな頑張ってくれています。
―孟さんがレッスンの時などに心がけていることを教えてください
卓球経験のない方にもたくさん来ていただきたいと思っているので、まずは卓球を楽しんでもらえないと困るし、楽しく卓球をやってもらうこととそこで少しずつ上達してもらうことを心掛けています。
レッスンが始まると、私はどの生徒さんにも最初に「リラックスしてね」と伝えます。やっぱりスポーツだから、緊張してしまうとよくないんですよね。緊張してしまうと、どうしても上手く打てなくなってしまう。ですので、一番初めにリラックスしてもらうことを大切にしています。「卓球を楽しんでください」ということを伝えていますね。
あとは、卓球はタイミングと打球点が大切になるスポーツです。中国卓球では壁に卓球の極意を貼っているのですが、一番最初に貼ったのが「打球点を探す」というものです。みなさんイメージとしては、卓球ってラケットを持って手で打つスポーツだと思っていますよね。実は違うんです。卓球は足で、体で打つスポーツ。そういったことをお客さんに意識してもらうことも大切ですね。
「世のため人のため」“卓球ドクター”の思い
―この中国卓球教室はどういった思いで運営されていますか?
この卓球場を運営していて面白いのは、いろんな生徒さんがいて、卓球だけではなく卓球を通していろいろな人と出会えることですね。いろいろな人が来て、様々な分野の人たちと繋がって、その人たちはさらに他の人たちに卓球の面白さを伝えていってくれる。そうすると、どんどん卓球の面白さが広がっていくなと感じています。
私が仙台にいた時、ちょうどプロ野球の楽天ゴールデンイーグルスで野村克也さんが監督を務めていて、彼の一言が今もずっと心の中に残っています。「世のため人のため」という言葉です。私が卓球を教えているのも、YouTubeを通して卓球のことを発信しているのも「人のため世のため」。何か役に立てたらうれしいと思ってこの卓球場を運営しています。
―中国卓球教室のアピールポイントを教えてください
YouTubeで「卓球ドクター」と名乗り、卓球の技術に関する発信などをしています。どうしてこの「卓球ドクター」という名前をつけたかというと、普段の生活では「頭が痛い」と思ったら内科の病院に行きますよね。「足が痛い」と思ったら整形外科医の先生診てもらう。中国卓球のアピールポイントは、お客さんが悩んでいるポイントを見つけ、お医者さんみたいに、その悩みをその場で解決できるというところです。
何か卓球の技術でうまくいかないところなどあれば、すぐに中国卓球に来てほしい。お客さんの悩みを一緒に解決することはすごく楽しいです。何年か悩んでいて、「どうしようもないから一回聞いてみよう」という方がいらっしゃることが結構多くて、それが改善されたらもう来なくなります(笑)。でも、それでいいんです。その人の役に立つことができれば嬉しいです。
―今後はどのようなお客さんに来てもらいたいですか?
やはり卓球が好きで、みなさん卓球が自分の生活の一部になっているじゃないですか。卓球の技術などに悩んでいて、それを改善してさらに強くなりたいっていう方にはぜひ来ていただきたいですし、楽しく卓球をやりたいという方たちにも来てほしいです。楽しく、強くなるために続けていきたいという方に来てほしいですね。初心者でも経験者でも大歓迎です!
―ありがとうございました
ありがとうございました!
今回は孟コーチに中国卓球についてのお話や卓球の指導への思いを聞かせていただいた。
常に笑顔で、時折冗談も交えながらインタビューに答えてくれた孟コーチ。レッスン中の様子を取材させてもらったが、お客さんに真摯に向き合い、丁寧に指導をする姿が印象的だった。
初心者でも経験者でも、卓球を楽しみたいと思っている方、卓球の技術について悩みを抱えている方は是非とも中国卓球教室に足を運んでみてほしい。「卓球ドクター」が解決策を見出してくれるに違いない。
【中国卓球教室】
住所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋2丁目59−7 2F
電話:03-5953-5372
営業時間:午前10時から午後10時
ウェブサイト:https://www.chugoku-takkyu.com/
Twitter:https://twitter.com/chugoku_takkyu
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