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  • 投稿日

    2022/12/3

  • コラム

【インタビュー】卓球YouTuber“わった”でラージボール王者 池田亘通が目指す大きな夢とは

 2022年11月4日から6日にかけて3年ぶりに行われた第5回全日本ラージボール選手権大会。日本発祥の競技は年々盛り上がりをみせている中、一般男子シングルスで第1回大会から優勝を勝ち取り続けている選手がいる。池田亘通(わたる)だ。「わった」として卓球YouTuberとしても活動する池田さんは、ラージボールの普及を目的に日々奮闘している。

 チャンネル登録者数40,000人以上を誇るメインチャンネル「わった」のほか、「わったのラージボール研究室」ではラージボールで上達するための技術解説や試合動画をアップするなど、卓球ファンから絶大な支持を集めている。

 選手、YouTuberのほか、TIBHARの契約選手としてラバーの開発や講習会など、多岐にわたって卓球界での活躍を続けている池田さん。

 今回、ミングルス編集部ではそんな池田さんをインタビュー。卓球を始めたきっかけやYouTuberとして活動するようになった経緯、ラージボールへの思いや今後の目標などについて、池田さんのストーリーを深掘りしていく。

目次[ 閉じる ]

卓球を辞めたことで出会ったラージボール

―池田さん、よろしくお願いいたします

 よろしくお願いします。

―まずは池田さんのご経歴を教えていただけますか?

 卓球は小学校2年生の時に始めました。小さいころから目立って強かったわけではなくて、北海道出身なので大学卒業まで22年間ずっと北海道にいたんですけど、北海道の中ではちょこちょこ勝っているけど、全国的に目立つ選手では全くなかったです。

 北海道の大会では時々は優勝しても、全国大会に出たらそこまで勝てなくて、ということを小・中・高とずっとやっていましたね。それで、大学では「もう無理だな」と思って卓球をやめて、地元の北海道教育大学に進学しました。

―卓球を辞めたのはどういうきっかけがあったのでしょうか?

 高校生の時は「インターハイでランクに入る」というのが目標だったんですけど、そこに到達する遥か前に負けてしまって「無理だな」と思ったんですよね。そこで心が折れてしまって、一度卓球から離れました。

―ラージボールを始めたきっかけはどういったものだったのでしょうか?

 あるとき、函館の一般開放されている体育館で、年配の人たちが楽しくラージボールをやっているのを見ていたんですよ。それで「なんか面白そうだな」と思っていろいろ調べてみたら、年配の人たちだけではなくて、一般の部もあって、そこで(当時)全国大会4連覇されている方がいて。そういう人がいると聞くと、一回挑戦してみたい、と思ったことがきっかけです。実際に始めてみると楽しくて、はまっていったという感じですね。

 本当にたまたま見たことがきっかけでラージボールを始めたという感じでした。

―大学を卒業してからはどういった生活を送っていたんですか?

 大学時代は教員になろうと思っていて、教育実習にも行ったんですけど、「教員に向いてないな」と思って教師になることを辞めました。そこからいろいろな職業のインターンなどにも行って気づいたのが「自分って社会に向いてないな」ということでした。集団行動が苦手で、そういう部分の生きづらさを感じてしまって。IT企業は将来的に独立しやすそうなイメージがあったので、「3年間だけ頑張ろう」と思って東京のIT企業に就職したんですけど、3ヶ月で辞めてしまいました。

 社会に出ると当たり前のことなんですけど、スーツを着て、電車に揺られて、出社して、上司の人に言われた通りに仕事をする毎日で。それが普通なんですけど、「これ自分じゃなくてもいいな」って思ってしまったんですよね。会社のあり方としてはもちろんそれが正しいんですけど、そこにすごく違和感を覚えてしまって。本当に後先考えず、すぱっと辞めました。「やめてからなにしようか考えよう」と思っていたので、本当に一時はただ無職でしたね。

―会社を辞めた後にYouTuberとしての活動を始めることになったんですね

 そうです。会社を辞めた後はとりあえずお金を稼がないと生活ができなかったので、いろんなことにチャレンジしては失敗しての繰り返しでした。その中で残ったのがたまたま今のYouTubeだったんです。YouTube以外にもいろんなことに挑戦はしたんですけど、しっくりきたのがYouTubeでした。

 そこから現在まで続けてきたYouTubeが土台にあるからこそ、いろいろなお仕事はさせてもらえていると思います。

「必死だった」試行錯誤の2年間はYouTube毎日投稿

―YouTuberとしてはいつごろから手ごたえを感じ始めましたか?

 大きな転機があったわけではなくて、本当にあまり才能がないので、失敗しながらコツコツやっていって、少しずつ形になっていったという感じです。最初の2年間くらいは毎日動画を投稿していましたね。よくやっていたなと思います。もうできないです(笑)。

 YouTubeの他にも卓球のコーチなどをしていたので、とにかく時間がなかったので、電車移動の10分間とかでもずっとパソコンを開いてカタカタ編集していましたね。必死だったなと思います。

―YouTube以外のお仕事はどんなことをされていますか?

 今はTIBHARのラージボール選手として契約させていただいているんですけど、自分が監修したラバーの開発だったりとか、全国各地のイベントなどに行かせていただいたりしています。

 毎日卓球をやっているように思われるんですけど、実際は週に1、2回しかできないですね。どちらかというと、デスクワークの方が多いです。編集とかそれ以外のいろんなお仕事をしている方とのやり取りなどが中心なので、すごく卓球をやっているというわけではないです。

―TIBHARさんとはいつごろ契約されたんですか?

 去年の2月です。ここ5、6年ラージボールをやっている中で、自分が納得のいく用具を一から開発してみたいという思いが芽生えました。それで、いろんなメーカーさんとお話した中で、「自分はこういう用具づくりをしたいです」という思いをTIBHARさんに伝えたその日に「よしそれでいこう」とお返事してくださって。そこからもう契約発表の前からラバーの開発を進めて、今年の6月に監修したラバーが発売されました。

「初心者から上級者まで楽しめる」ラージボールの魅力

―池田さんのお話を聞いていると、ラージボールへの思いがとても大きいと感じます。ラージボールへの思いを教えたいただけますか?

 そうですね。「YouTuber」として紹介されるのは別に嫌ではないんですけど、どちらかというと、まず「YouTubeを運営しつつ、ラージボールを普及させたい」なんですよ、僕の中では。

 ある程度生活費も稼がなきゃいけないですし、自分の濃いファンを作る場としてYouTubeを運営しながらも、メインはラージボール選手としての活動です。僕の思いとして、ラージボール普及活動を今後もっともっと取り組んでいきたいですね。

―ラージボールの魅力はどういうところですか?

 まずラージボールは硬式のボールと違ってボールが4㎜大きくてネットが2センチ高くて、ラバーは表ソフトのみという決まりがあります。回転とスピードも硬式と比べたら本当に少ないんです。そうなると、必然的にラリーが長くなって、ラリーが続くと楽しいと思うんですよね。硬式よりもよりラリーが続くから楽しみやすいですし、初心者から上級者まで取り組みやすいのがラージボールの魅力だと思います。

―最近ではラージボールの普及も進んでいますよね

 間違いなくそれは感じています。全日本ラージボール選手権も、今回の前は2大会連続でコロナの影響で中止になっていて、前回の開催は3年前だったんです。当時と今年の顔ぶれを比較すると、若い人の率がとんでもなく増えています。昔はラージボールは年配のスポーツという捉えかたをされることが多くて、今までは(年代別では)60代以上の参加者の方が多かったんですけど、ここ最近は一般男子の方が圧倒的に参加人数が多くなってきています。

 最近は若い参加者がすごく増えている印象があって、若い方に「なんでラージボールを始めたんですか?」って聞くと、ほぼ100%「わったさんを見て始めました」と返してくれるんです。それが嬉しいですね。

―池田さんの影響で若い参加者が増えているのは素晴らしいことですね

 ありがたいことですね。すごいなと思うのが、若い人に「YouTubeでいつも見てます」って声をかけていただくのはわかるんですけど、最近だと年配の人にも「YouTube見てるよ、わったくん」みたいな感じで声をかけていただけるんです。

 YouTubeのメインチャンネル「わった」のほかに、「わったのラージボール研究室」というラージボールのことだけを発信しているチャンネルもあるんです。メインチャンネルは大体10代後半から20代の視聴者が多いんですけど、「ラージボール研究室」は逆に40代から60代とかが多くて。メインチャンネルは若い視聴者が多いんですけど、逆に「ラージボール研究室」の方はすごい上の世代の視聴者の方が多くて、幅広い年代にリーチできるというのが僕の持ち味というか武器なのかなとは思っています。

中学校の部活に「ラージボール部」を作りたい

―今後の目標について教えてください

 大きな目標でいうと、中学校の部活に「ラージボール部」を作りたいです。要はテニスで言うソフトテニスみたいな感じで、ラージボールを取り入れたいのが僕の今後の人生の大きな目標ですね。まだまだそこには遠く及ばないので、まずはどんどん自分が表立ってやっていこうと思っています。卓球をやっていない人でも、ラージボールという存在を知っているような状態にしたいというのが大きな目標ですかね。

 選手としての目標は、全日本ラージボール選手権10連覇。ラージボールは実力差が本当につきづらい、紙一重の試合になることが多いんです。その中で安定して勝ち続けられる選手って本当に一握りで、自分はそこを体現したいというか。10連覇を目指して頑張っていく、そういう努力する過程とかも、発信していきたいなと思っています。

―YouTube関連での目標はありますか?

 YouTubeの目標は、自分の卓球人生の生きざまを見せるというか。自分は卓球を1回やめた経験があって、そこから何とかはい上がって、草の根のような環境でやってきて、できる環境でベストを尽くせばもっと上に行けると思っています。

 硬式卓球の全日本選手権で4回戦出場という大きな目標もあるので、こういった週1回とか2回しか練習ができない状況でも目標を達成して、自分の生きざまで勇気を与えられればと思っています。

 正直、(YouTubeで)数字的な目標がそこまでないというか、「登録者何人目指す」とかは考えていなくて。それよりも、1人でも多くの人が「わった」の動画を見て、「もっと自分も頑張ろう」と思ってくれるような人が増えればそれでいいかなと思います。

―ありがとうございました

ありがとうございました!

 卓球YouTuberとして活動するだけではなく、ラージボール選手としても活躍する池田さん。すべての活動を紐解いていくと、ラージボールの普及という大きな目標が根底にあることが分かった。

 一度卓球をやめたところから、卓球の楽しさを再確認するきっかけにもなったラージボール。その競技の魅力に惹かれ、面白さを世間に広めるために全身全霊を尽くす池田さんの表情は、とても充実感にあふれていた。

 卓球界でマルチに活躍する池田さん、そしてラージボールの競技としての普及に今後も注目していきたい。

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