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  • 投稿日

    2022/7/15

  • コラム

【卓球場紹介】元DENSO小道野結さん 恩師の思いを胸に「卓球の楽しさを伝える」 神奈川県・横浜市—「結」卓球クラブ―

 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町にある「『結』卓球クラブ」。今年の4月1日にオープンしたこちらの卓球場は、小道野結(おどの・ゆい)さんが開設したものだ。早稲田大時代に全日本大学総合選手権でシングルス2位、実業団DENSO時代には全日本実業団選手権(団体)で優勝を経験するなど、輝かしい成績を残してきた小道野さん。

 今回はそんな小道野さんにインタビューを実施し、「『結』卓球クラブ」をオープンするまでの経緯や、卓球への思い、指導で大切にしていることなどについて語ってもらった。

目次[ 閉じる ]

恩師のチームを引き継ぐため今年4月に開設

―小道野さん、よろしくお願いいたします

 よろしくお願いします!

―まずこの「『結』卓球クラブ」を始めたきっかけを教えてください

 「『結』卓球クラブ」を始めた理由としてはいくつかあって、一つは2年前に現役を引退して、去年1年間で指導者業にチャレンジしていたんですけど、そこで教えることの楽しさを知ることができました。

 その中で、私が元々所属していたクラブチームの指導をお手伝いしていて、そこが経営の悪化によってなくなりそうな状況になってしまったんです。お世話になったクラブチームのために貢献したいというか、そこに所属していた子たちの指導を引き受けたいと思い卓球場を開設しました。

 もう一つは私の母校である横浜隼人中学・高校の恩師がいまして、その恩師が指導しているジュニアチームがなくなりそうという話を聞いたときに、「じゃあ私がもうちょっと指導者の経験を積んだら、引き継ぎますね」って恩師と約束をしていたんですよ。そしたら去年の12月31日に恩師が亡くなってしまって。「もうやるしかないな」と思って、今年の4月から突然始めちゃった感じですね。

―卓球指導者を志すようになったのはいつ頃だったんでしょうか?

 2年前に現役を引退して、本当はスポーツトレーナーになりたいなと思って就職も一度決まったんですけど、「日本知的障がい者連盟コーチをやってみないか」というお話をいただきました。すごく迷ったのですが、卓球の指導者をやるなら今しかないし、スポーツトレーナーは指導者として活動した後からでもなれるかな、と思って指導者になることを決めました。

―指導者業を始めたときはどんなところで教えていたんですか?

 一つは、日本知的障がい者卓球連盟コーチを請け負わせていただいたのと、それに付随する横浜市主催の障がい者の子供たちのための卓球教室をやらしていただきました。あとは横浜大洋ジュニアのコーチや卓球場でのレッスン、Nittakuのコーチとしていろんな学校を回ったり、本当にいろいろやらせていただいていました。

「いろんな人が繋がっていく卓球クラブに」

―この「『結』卓球クラブ」はどういったコンセプトで運営していますか?

 「『結』卓球クラブ」という名前を付けたんですけど、自分の名前を付けたいという意思はそんなになかったです。だけど、私の名前の由来が「結ぶ」「人と人を繋ぐ」という意味があって、それが卓球場のコンセプトとぴったりだと思いました。いろんな人が繋がっていくような卓球クラブを目指しています。

―卓球場を始めた時の苦労などはありましたか?

 自分で卓球場やるとなったときに、予想していなかったトラブルや卓球以外の問題がいろいろ出てくるので、そこは大変でしたね。卓球教室の引き継ぎも、教室が一度なくなって「新しく始めます」と言っても全員が来てくれるわけではありません。お客さんの要望に応えながら、どういうふうに新しく教室を作っていったらいいのかというのは、いろいろ考えましたね。

 新規のお客さんを集めるのも大変でした。卓球場を開設したことを告知して、オープンの時には無料レッスンを朝から晩まで3日連続開催しました。そこでお客さんに1回来てもらって、雰囲気を知っていただくことができました。

 そのおかげもあって、お客さんが少しずつ増えてきてくれています。子供に関しては、元々いた子が8人いて、ちょっとずつ増えていけばいいかなと思っていたんですけど、8人が新しく入ってくれて、全員で16人います。ありがたいことですね。

 

年中無休で営業 交通アクセスも抜群

―横浜市伊勢佐木町を拠点に選んだ理由を教えてください

 私は地元が平塚で、本当は「地元に帰って子供たちを育てたい」という夢があったんですけど、引き継いだジュニアの子たちがみんな横浜市在住なので、横浜で卓球場を作るしかないと思い、物件を探してこの場所になりました。

 物件探しに一番時間がかかるなと思っていたんですけど、不動産屋から最初に紹介されたのがここでした。広さもそう狭くないし、立地的にも関内と日ノ出町と伊勢佐木長者町という3駅から来られるということで交通の便もいいので、ここに決めましたね。

―営業時間や営業日は決まっていますか?

 営業日に関しては年中無休で毎日営業しています。営業時間は日によるのですが、大体朝9時半から21時ぐらいまで営業しています。

―スタッフさんは小道野さん以外はどなたがいらっしゃいますか?

 私と父の小道野英二コーチ、あと宮澤幸夫コーチの3人で一緒にやっています。あとは週1回だけ学生のコーチが来てくれています。

小道野さんの父・英二コーチもスタッフとして働く

個人レッスンにグループレッスン、初心者用レッスンも

―営業内容について教えてください

 レッスンについては個人レッスンとグループレッスン、初心者レッスンと体験レッスンがあります。私の個人レッスンは60分6,000円(税込)で、英二コーチのレッスンが60分4,500円(税込)です。5人制のグループレッスンは75分で1人3,500円(税込)、宮澤コーチが担当する初心者レッスンは45分2,000円(税込)、体験レッスンは45~75分1,000円(税込)です。

 大人・ジュニアの教室もやっていて、大人は週1回120分で10,000円(税込)から、ジュニア(4~15歳)は週1回120分8,000円(税込)から指導を受けることができます。その他に台貸しも行っています(※電話予約のみ受付)。

―お客さんはどういった方が来られますか?

 お客さんは本当に幅広くて、一番多いのはやっぱり40代50代の方ですかね。ジュニアで5歳の子もいますし、それこそ70代80代の方もいらっしゃいます。幅広いですね。

―「『結』卓球クラブ」のアピールポイントを教えてください

 私自身、「卓球は楽しくやるものだ」という思いがあって、卓球技術を教えるだけに特化するのではなくて、卓球を通じてお客さんの人生の価値感を変えていけるようにしたいです。自分も卓球をずっとやってきて、そういった部分にもすごくつながっているなと実感してるので、卓球以外の他の部分でもいろいろ付加価値として付けられるようにしていきたいです。

 例えば、指導の時にはメンタルの面もそうだし、その人の良いところを伸ばすことをすごく大事にしています。「これができません、あれはできません」と自分に自信がない方には、その方の良さを見つけて「こういうふうにすれば楽しくなるよ」とアドバイスしてあげたいですし、その人の良い部分にフォーカスしたいですね。

 卓球に関して何か不安を持ってる方とか、自信がないですっていう方は、ぜひ一度来ていただきたいなと思います。悩んでいる方の背中を押して、「できるかも」という気持ちにさせてあげられるかなと思います。

「神奈川と言ったら『結』卓球クラブとなるように」

―今後の展望や、やっていきたいことなどはありますか?

 「自分の卓球場をすごく大きくしたい」みたいな思いはなくて、一番は元々私が所属していたクラブチーム復活させたいっていう気持ちが大きいです。「神奈川と言ったら、『結』卓球クラブだよね」となるようなチームを作りたいです。

 あとは、遅くから始めて「これ以上伸びません」とか、70代80代で「卓球は健康のため」という形で成長することを諦めている方もいらっしゃると思うんですけど、そこからでも上手になることはできます。どの年代でも関係なく「『結』卓球クラブ」に来て成長して、楽しい卓球人生を送る人がたくさん増えていってくれたらうれしいです。

 やっぱり恩師の思いを引き継ぎたいという思いもありますし、自分も卓球だけして生きてきたので、卓球に恩返しというか貢献するために、卓球が好きな人を増やしたりとか、少しでも自分の知識をいろんな人に伝えていければなと思います。

―最後にお客様へのメッセージをお願いします

 初心者でも経験者でも、レッスンを1対1で受けに行くってすごく気が重いというか、壁が高いなって感じてる方もいらっしゃると思うんですけど、「卓球を楽しくやりたいな」という方は誰でも気負わずに来ていただければ嬉しいです。

―ありがとうございました

 ありがとうございました!

小道野さん(左)と父の英二コーチ

【「結」卓球クラブ】
住所:〒231-0045 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町3丁目95番地 伊勢佐木町センタービル3-A号室
最寄り駅:(JR)関内駅(北口)、(京急)日の出町駅、(地下鉄)伊勢佐木長者町駅(6A出口)から徒歩10分以内
電話:070-7659-0455
営業時間:午前9時から午後9時30分
ウェブサイト:https://yui-takkyuclub.com/
Twitter:https://twitter.com/odo_yui