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  • 投稿日

    2022/12/29

  • コラム

【インタビュー】パラ卓球日本代表監督・森薗美咲が今も選手としてプレーを続けるワケ

 2022年12月2日から4日にかけて行われた全日本卓球選手権大会(マスターズの部)。30歳以上の女性に参加資格がある「女子サーティ」の部で優勝したのは森薗美咲だった。2015年の全日本卓球選手権女子シングルスで準優勝を果たすなど、輝かしい成績を残してきた森薗。2021年の大会には出場しなかったが、2022年には2年ぶりに全日本卓球選手権に出場するなど、選手として今なお精力的に活動している。

 その一方で、今年の4月からはパラ卓球立位日本代表監督に就任するなど、指導者としてのキャリアもスタートさせている森薗。今年で30歳の節目を迎えた彼女が、今回全日本選手権マスターズの部に挑んだのはどういった経緯があったのだろうか。インタビューを通して、彼女の思いに迫っていく。

目次[ 閉じる ]

全日本選手権マスターズの部女子サーティで優勝

―森薗さん、よろしくお願いいたします

森薗 よろしくお願いいたします。

―まずは今回全日本選手権マスターズの部に出場しようと思った理由を教えてください

森薗 元々「ずっと出たかった大会」というわけではなかったんですけど、自分の卓球人生の中で、全国大会のシングルスの部で優勝したことがどのカテゴリーにおいてもなかったんです。小学生の時も中学生、高校生、社会人になっても、シングルスでタイトルを取ったことが一度もなくて。「シングルスで優勝したい」と思いましたし、ちょうど30歳にもなったのでマスターズに出たいと思いました。

―優勝という素晴らしい結果に終わりましたが、それについてはいかがですか?

森薗 卓球をこれだけやってきたので一番わかっていることなのですが、やっぱりどんな試合でもトーナメントだとコロッと負けることも全然あります。すごく緊張しましたが、楽しみながらプレーできたかなと思います。その中で優勝できたので、とても嬉しかったです。

「自分のレベルにあった卓球を楽しくできれば」

―最近ではパラ卓球の日本代表監督としても活躍されていますが、選手としての現役生活はどのように考えていらっしゃいますか?

森薗 2020年の全日本選手権の時に、一度自分の中で「卓球をやめよう」と思って卓球を離れたんですけど、あえて「引退」という言葉は使わずにいました。それには理由があって、「時間を置いたらまた戻りたくなるかもしれない」と少し思っていたのと、あとは別に引退宣言ってしなくてもいいんじゃないかなって個人的には思ったんですね。いろんな選択肢を残しておいてもいいんじゃないかなと。そして、1年後にやっぱりまた卓球をやりたいなと思いました。

でも、以前のように日本代表を目指すとか、そういう高い目標でやろうということではなくて、自分のレベルに合った卓球を楽しくできればいいなって思って、また選手としての活動を始めました。楽しくなかったら卓球をやる意味が全くないので。日本代表でやっていたときやオリンピックを目指していたときは「楽しい」と思ってやったことっていうのが一度もありませんでした。

苦しかったり、何かを我慢して犠牲にして卓球をやってきて、それがずっと続いていたからこそどこかで辞めたくなってしまったので。今は卓球を純粋に楽しみながら、試合に出たらちゃんと勝ちに行くという感じですね。それと並行してコーチの仕事も勉強してどんどんやっていきたいって思っています。

自分が現役で頑張ることで選手への説得力もアップ

―今後はどのように卓球と関わっていきたいですか?

森薗 今のようにコーチもやりながら選手としても活動するというスタンスでやっていきたいという思いはあります。1年前はパラ卓球の監督をやるなんて思ってもみませんでしたし、2年前に一度卓球を辞めようと思ったときは、また復帰するなんて思っていませんでした。今はコーチも選手も頑張って、楽しく卓球をやることができればいいのかなと思っています。

私が選手として試合に出る意味としては、いまパラ卓球の日本代表監督をやっていて、自分が選手として試合に出場して、勝つところを選手に見せることで選手へのアドバイスの説得力も上がると思うんです。監督もやりつつ、選手もやる人ってあまりいないスタイルなので、そういう姿を選手に見せて、なにか感じてくれればいいなという思いで選手を続けている部分もあります。

―ありがとうございました

森薗 ありがとうございました!

【プロフィール】

森薗美咲…1992年4月16日生まれ、東京都西東京市出身。青森山田高校卒。2009年、2013年には世界選手権の日本代表としてプレー。2014年全日本卓球選手権混合ダブルス優勝、2015年全日本卓球選手権女子シングルス準優勝などの好成績を残す。Tリーグでは2018-19、2019₋20シーズンにトップおとめピンポンズ名古屋でプレー。

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