Tリーグ開幕から4季目を迎えた2021-22シーズン、女子のトップおとめピンポンズ名古屋は5勝15敗のリーグ5位でシーズンを終えた。Tリーグ初の女性監督となった若宮三紗子監督が就任1年目となり、前半戦では3連勝で一時3位に浮上するなど波に乗る場面もあったが、最後は7連敗と失速。最下位に沈む悔しいシーズンとなった。
今回、ミングルス編集部では再起のシーズンに挑むトップおとめピンポンズ名古屋を取材。チームのエース安藤みなみと新加入の南波侑里香にそれぞれインタビューを行い、2022-23シーズンへの思いを聞いた。後編では、エースとしてチームをけん引する安藤のインタビューをお届けする。
前編の南波侑里香のインタビューはこちら
- 目次
- 昨季の活躍に自信「シングルスは一番良かった」
- チームの勝利へ課題はダブルス「どうにかしていく」
- 南波や木村 新加入メンバーがモチベーションに
- 新たなトレーニング取り入れプレーも進化
- 若宮監督も信頼「エースとして期待しています」
- 「まずはセミファイナルを目標に頑張りたい」 >
昨季の活躍に自信「シングルスは一番良かった」
2021-22シーズンは女子Tリーガーとしてはリーグ3位となる12勝を挙げるなど、素晴らしい活躍でチームをけん引。個人としては過去最高の成績を残し、早田ひなら日本トップクラスの選手からも白星を挙げるなど、収穫の多いシーズンとなった。
「アジア選手権に出場させていただいたので、シーズン初めのほうはTリーグに参戦していなかったんですけど、帰ってきてからはすごくいい状態でスタートを切ることができました。特にシングルスはこれまでTリーグに参加してきた中で一番良かったんじゃないかなと感じています」と安藤は振り返る。
好調を維持できた要因については「特に何かを意識してやっていたわけではありません」と淡々と語る安藤。「個人としては、サーブからの展開は自分の持ち味でもあるので、そこがうまく組み立てられているときはすごく良い試合ができていたのかなと思います」と自身の活躍について分析した。
チームの勝利へ課題はダブルス「どうにかしていく」
シングルスでは12勝6敗と好成績を収めた一方で、ダブルスでは1勝5敗と苦戦。チームも5勝15敗でリーグ最下位に沈むなど、課題が残る形となった。今季のチーム順位を上げていくためには、ダブルス戦での勝利が絶対条件となる。
「シングルスでは最後に4連敗と、勝ちが続かなくなってしまっていたので、そこが今後の課題なのかなと思います。ダブルスは1勝5敗という結果を見て『こんなに負けたんだ』という感じでした。若宮監督もずっとおっしゃっているんですけど、やはりダブルスを取らないとチームの勝利に繋がりません。ダブルスがすごく大事だと改めて感じたので、今季はそこをどうにかしていかなければいけないなと思っています」と安藤はダブルスの課題について指摘する。
南波や木村 新加入メンバーがモチベーションに
南波侑里香や木村香純、鈴木莉茄が加入し新たな布陣で挑む2022-23シーズン。新加入の選手たちの存在が、チームのモチベーションを高めていると安藤は話す。
「木村と鈴木さんは同じ専修大学の先輩と後輩なので、2人ともすごく仲が良かったです。南波選手も昔から知っていてとても仲良かったので、すごくやりやすいし、練習も楽しくできています。年齢も近いこともあって、みんな話しやすいですね」。
「メンバーが昨シーズンとガラッと変わって、昨シーズンまではトップおとめピンポンズ名古屋所属の選手が私しかいなかったのが、みんなが入ってくれたおかげですごく良い雰囲気で練習ができています。他の選手がいてくれると自分の練習に対する気持ちも上がりますし、チームとしてもいい状態で練習ができているんじゃないかなと思います」と納得の表情で今季のチームについて語る。
新たなトレーニング取り入れプレーも進化
チームのエースとしてさらなる成長を目指す安藤がこのオフから取り組んでいるのがフィジカルトレーニングだ。若宮監督からトレーナーを紹介してもらい、歩き方や体の使い方などを細かく学んだことで、プレーにも良い影響が表れているという。
「自分の体に対してはすごく鈍感だったのですが、今回のトレーニング始めてから本当に自分で気がつくぐらい体が変わりました。普段から歩き方や力の入れ方などを意識するようになり、体がブレなくなったことでラリー中に崩れることがなくなりました。監督やコーチからも『すごく変わった』と言ってもらえました。
トレーニングの一つ一つが卓球に影響してきているので、モチベーションもすごく上がって『頑張ろう』という気持ちになれています。今までは当たり前のように行っていた動きも、すごく細かいところまで意識するようになりました」。
若宮監督も信頼「エースとして期待しています」
「プレーオフでのセミファイナル以上進出」を今季の目標に掲げるトップおとめピンポンズ名古屋。当然、昨シーズンチーム最多12勝を記録した安藤にかかる期待も大きくなる。
「本人は謙遜して『エースじゃない』とかってよく言っていますけど、やはり私としては安藤にエースとして期待しています」と若宮監督も信頼を寄せる。
「昨シーズンもチームでは一番勝ち星が多かったと思うので、その分プレッシャーもかかって大変な思いもしていると思います。でも、彼女の卓球スタイルはなかなか他にはない、予想がつかないようなすごく面白い卓球をするし、本人もすごく努力するタイプなので、『もっと強くなれるんじゃないか』という伸びしろを感じさせてくれる選手でもあります。期待しています」。
「まずはセミファイナルを目標に頑張りたい」
指揮官の期待に応えるべく、安藤も静かに闘志を燃やす。
「トップおとめピンポンズ名古屋は最高でも3位にしかなったことがないので、ファイナルという大きな目標を掲げて優勝とか言うのもいいと思うんですけど、まずはセミファイナルを目標に頑張りたいって思っています。
個人としては昨シーズンはいい結果を残せたので、引き続き調子を維持できるようにしていきたいです。あとは終盤に負けが続いてしまったので、そこを改善していくのが目標です。
あとはTリーグ以外で言うと、全日本選手権で表彰台に上ることも目標ですね。自己最高はベスト8なんですけど、いつもランク入りすると満足してしまう部分があるので。一回でいいので、表彰台に上がりたいという気持ちがあります」。
プロ転向3年目の勝負の年。新たなメンバーも加わり、さらなる高みを目指せる環境が整った。
「私以外にもチーム所属選手がいることで、安心して選手も監督も戦えると思いますし、それは昨シーズンまでとは大きく変わっている部分であり、強みなのかなと思います。全試合に出場して、しっかり最後までやり遂げられたらなと思います」。
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