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  • 投稿日

    2022/4/28

  • コラム

【卓球用具紹介】革新的な多角形ラケットで世界で爆発的人気!STIGA「サイバーシェイプカーボン」に迫る

 ミングルス編集部が各メーカーの新商品や人気商品の制作秘話や製造過程に迫る「卓球用具紹介」のコーナー。
 
 今回は北欧スウェーデンの卓球メーカーSTIGA社が開発したラケット「サイバーシェイプカーボン」を特集する。

 昨年末に発売された多角形ラケットは、見た目のインパクトとスタイリッシュさからファンの間で話題に。世界選手権で「サイバーシェイプカーボン」を使用したトルルス・モーレゴード選手が男子シングルス準優勝を果たしたことが大きな契機となり、世界中で注目される人気製品となった。

 今回はそんな大人気ラケットについてSTIGA SPORTS JAPAN社マーケティングマネージャーの塩野真人さんにお話を伺い、商品の性能や特長などを掘り下げていく。

 

スティガスポーツジャパン株式会社マーケティングマネージャーの塩野さん


[STIGA]サイバーシェイプカーボン ミングルスオンラインショップ

世界選手権準優勝 モーレゴード選手が使用

 「サイバーシェイプカーボン」は昨年の世界選手権後、12月に発売しました。世界選手権で2位になったスウェーデンのモーレゴード選手が使用していたラケットだったので、話題になって火が付いた形です。

 製品の特徴としては、多角形ラケットの形がミソとなっています。丸いラケットではなく多角形ということで、台上技術がやりやすい。台に対して、より深く入っていける面積を増やしたというのが特徴です。

 卓球はラリーなど大きな技術も重要ですが、細かい技術がやりやすいというのも大事なんです。あとは「スイートスポット」が通常のラケットよりも大きく広がっている。球がより当たりやすい部分の面積を増やしたことで、「どこに当たっても大丈夫」という安心感があります。

多角形ラケットのサイバーシェイプカーボン

100種類以上の形を試してたどり着いた「多角形」

 伝統的な「丸」ではなく「角」をつけたラケットとして話題となった「サイバーシェイプカーボン」。どういう経緯でこの形のラケットが誕生したのだろうか。

 卓球ラケットには「形」の規定はありません。今回の「サイバーシェイプカーボン」の製作にはモーレゴード選手も開発の段階から携わっていました。それに加え、STIGA本社の社長が理工系の大学を出ていたこともあって、斬新なアイデアが生み出されたのではないかと思います。「丸」のラケットの伝統を大事にしつつ、100種類以上形を試して今回の多角形にたどり着いた形です。

 開発にも長い期間がかかったと聞いています。社内でもごく一部のみが携わっている極秘プロジェクトだったので、モーレゴード選手は家族にも言えなかったそうです。私自身も最初、本社の方から「多角形のラケットを考えているんだ」と聞いたときは目が丸くなりました(笑)。

 世界選手権でモーレゴード選手が2位になって注目されて、そこから勢いが出ました。世界で勝てる実績を証明できたのがすごく大きかったですね。かなりの数の問い合わせ・注文があって、本社も製造ラインを増やして対応していたのですが、なかなか追い付かない状況でした。日本国内の注文量もすごかったですし、世界中から注文が殺到していると本社からも報告を受けております。小売店さんからも「ラケットでここまで注目されるのは珍しい」と声をかけていただきました。現在でもなかなか皆さんのもとにお届けできていない状況なので、そこは申し訳ないです。

 STIGAはラケットづくりに関して伝統があるメーカーで、誇りとプライドを持って職人が作っています。その「伝統」と世界選手権2位という「実績」がマッチして注目度が上がったのではないかと思っております。売れ行きに関しては過去の商品と比べても想像以上で、今までにない売れ行きとなっておりまして、大変ありがたいです。

使い心地も抜群 まるで「体の一部」

 世界選手権で2位になったモーレゴード選手の活躍もあり、世界中からの注目を集める「サイバーシェイプカーボン」。どんなタイプの選手に合うラケットなのだろうか。

 スイートスポットが広い分、スマッシュやミート打ちがやりやすいです。そのような技術を多用する選手はすごく合うのではないかと思います。実業団のトッププレイヤーにも使用していただいております。

 使い心地としては「体の一部」という表現をしているのですが、ラケットを奥まで握れる分、重さを感じにくい構造になっています。通常のラケットよりは深くまで握れるので、使用した方からは「重量的には重いのに、持って見ると重くないね」という反応をいただいています。

どんなラバーでも合わせられるオールマイティーさが特徴

 ラバーとの相性については、ある程度どんなラバーでもオールマイティーに合わせることができます。ラバーの特徴を生かせるラケットになっていて、何にでも合わせやすいラケットですね。卓球愛好家の方からは「角は尖っているのに性能は丸いラケット」と冗談で言われたりします(笑)。高性能でマイルドなラケットです。

 「DNA」シリーズでいうと、モーレゴード選手も使っている「プラチナムXH」がいい組み合わせかなと思います。フォア面を「プラチナムXH」にして、バック面は自分の特徴に合わせて使うのが良いかなと思います。

 いろんなプレーをしたい選手におすすめですね。スイートスポットが広いのでブロックも押されにくいです。ブロックもやりやすいので、攻守のバランスが取れる。その辺りを重視している選手におすすめできる製品です。

 今回はSTIGA社の話題のラケット「サイバーシェイプカーボン」についてマーケティングマネージャーの塩野さんにインタビューを実施し、製作過程などを掘り下げていった。

 「丸」という概念を壊した多角形ラケットの人気の裏には、100種類以上の形を試した社員の挑戦やモーレゴード選手の世界選手権での活躍など、さまざまな要素があったことが分かる。常識にとらわれず、常に革新的な製品を生み出しているSTIGA。どんな新しいアイデアを卓球界にもたらしてくれるのか、今後も注目していきたい。


STIGA Japan