森薗政崇 選手
1995年4月5日生まれの27歳。東京都西東京市出身。青森山田高校、明治大学卒。BOBSON所属。中学1年から大学4年まで10年間、ドイツ・ブンデスリーガでプレーし、2018-19シーズンからはTリーグ岡山リベッツでプレー。男子ダブルス最高世界ランク1位。
- 目次
- 【ドライブとは何か】
- 【ドライブの種類と打ち方】
- ①スピードドライブ
- ②ループドライブ
- 【上回転&下回転ボールに対するドライブ】
- 【バックハンドドライブ】
- 【ドライブの練習方法】
- 【まとめ】ドライブの基礎を固めれば他にも生きる
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【ドライブとは何か】
そもそもドライブとは何かというと、ラケットの面を被せるようにしてボールの上っ面をこすり、前進回転をかけて飛ばす技術です。
威力あるボールを打つという点ではスマッシュと共通していますが、スマッシュはボールに回転をかけず、とにかく速く一直線に飛ばすのが特徴。一方でドライブは、前進回転によってボールが弧を描きながら飛んでいったあと、空気抵抗によって相手コートにストンと落ちます。ドライブとスマッシュの違いは、回転の有無だと覚えておけばシンプルかもしれません。
【ドライブの種類と打ち方】
ドライブにもいろいろな種類があり、ラケットの角度と振り抜き方によって打ち分けます。今回は主な2つを取り上げましょう。
①スピードドライブ
まず、打ったボールが速ければ速いほど相手は反応しにくくなるというのが、卓球の基本的な考え方です。
速いボールといえばスマッシュを思い浮かべがちですが、先述したように、スマッシュは一直線に飛んでいきます。もし相手のボールがネットより下にきて、それをスマッシュで返そうとしたら、ネットに引っかかってしまうでしょう。無理やりネットを越えるように打とうとしても、今度は上にすっぽ抜けてオーバーミスになってしまいます。
そこで有効活用したいのがスピードドライブ。ネットより下、もしくはネットと同等の高さにきたボールを速く返したい場合は、ドライブで回転をかけ、ネットを越えてから相手コートに落ちる打ち方をすればいいのです。
具体的にはラケットの面を45度に傾けてボールに被せ、そのまま前方へまっすぐ振り抜いてください。このとき、スイング前に体をひねってタメを作ってあげると、よりボールにスピードが乗っかりやすくなります。
ちなみに、上手く回転をかけられたときはラバーがボールに食い込む分、スマッシュに比べ打球音が小さくなるはずです。これもドライブとスマッシュの違いとして覚えておきましょう。
②ループドライブ
スピードドライブとは対照的にボールのスピードを殺し、代わりに回転量を上げるように打つのがループドライブです。世界ランキング1位に輝いた実績を持つドイツのティモ・ボル選手が、ループドライブの名手として知られています。
ラケットの面を少し立て、下から上に振り抜くようにして強烈な前進回転をかけるのが一般的な打ち方。ボールがゆっくりと山なりに相手コートに飛んでいくため、例えば速いボールのあとに打つと、相手の意表を突くことができます。
スピードが遅いのでドライブ自体の攻撃力はなく、相手に読まれるとカウンターを食らってしまうリスクは否めません。しかし、ボールの回転量で相手のオーバーミスを誘発したり、自分のコートにチャンスボールが返ってくるよう仕向けたりできれば強力な武器になりますので、ぜひとも身につけておきたい技術です。
【上回転&下回転ボールに対するドライブ】
相手のボールにかかっているのが上回転か下回転かで、ドライブの打ち方は変わってきます。
上回転がかかったロングボールに対しては、スピードドライブで強打するのが効果的です。バウンドしたボールが頂点に来るのに合わせ、高い位置でバックスイングを取って水平気味にラケットを振ると、より勢いのあるドライブを繰り出せるでしょう。
逆に相手が下回転で攻めてきたら、ボールが沈もうとするのを持ち上げるように打ち返さなければなりません。ボールの下に自分の体を潜り込ませて膝をかがめ、ラケットを下から上に振り抜くと、ドライブにしっかりパワーを乗せることができます。
なお、上回転ボールに対処する際は自分が台の近くにいればいるほどスイングは小さく、台から下がれば下がるほどスイングは大きくすることを心がけてください。台の近くにいるのにスイングを大きくすると、ボールへの反応が間に合わなくなってしまうためです。これは後述するバックハンドドライブの場合でも、同じことが当てはまります。
【バックハンドドライブ】
攻撃のバリエーションを増やしたいならフォアハンドに加え、バックハンドでのドライブを磨いてみてはいかがでしょうか。
フォアハンドは体をひねって構える必要がありますが、バックハンドドライブはボールが体の正面に来るよう移動して打つため、比較的コントロールが安定しやすいのがメリット。フォアハンドよりも早い打球点で返しやすく、ボールに勢いが出るという側面もあります。
そんなバックハンドドライブのコツは、少し手首を内側に入れ、ムチをしならせるようにスイングすること。ボールに当たる瞬間、自分が打ちたいところにラケットの面が向くよう意識してください。
イブにしっかりパワーを乗せることができます。
また、相手のボールが下回転だったときはフォアハンドドライブ同様、やはり下から上に向かって打たなければなりません。体の重心を低くし、ボールを引きつけるようにしながら返しましょう。
【ドライブの練習方法】
最後にドライブの効率的な練習方法を、①~③までのステップを踏んで紹介していきましょう。
①最初は1球練習よりも多球練習
初心者のうちはパートナーとのラリー形式で練習してもミスが多すぎて、飛んでいったボールを拾うほうにばかり時間を奪われてしまうかもしれません。はじめは、ボール用のカゴやネットを用意してパートナーに次々と球出ししてもらう、いわゆる多球練習をおすすめします。何度も打ち込んでいくなかで、ドライブの安定感を高めていってください。
②台から転がり落ちてくるボールを打つ
ボールに思うように回転をかけられず、ドライブを打ったつもりがスマッシュになってしまうという悩みは“あるある”ではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、自分でボールを台の上からゆっくり転がし、エッジから落ちてくるところを打つ練習。こうすると、ボールの上っ面をいかに一瞬でこすれるかというトレーニングになるのです。
③台上の障害物を越えるようにボールを打つ
台の真ん中に、ネットよりも高さがある障害物を置きましょう。それから自分でボールを一回バウンドさせたあと、その障害物を越えるよう、山なりに打ってみてください。ちゃんとボールに回転がかかってドライブになっていれば障害物の向こうでバウンドしてから落ちるはずですが、そうでないと単なるオーバーミスになってしまいます。
当然、障害物が高ければ高いほど難易度が上がりますので、ボールに回転をかける感覚をつかむのにもってこいです。ある程度できるようになったら障害物をどかし、回転をかけつつ弾道の低いボールを打てるか試してみれば、今度はスピードドライブの訓練になります。
【まとめ】ドライブの基礎を固めれば他にも生きる
いかがでしたか?今回は男子日本代表・森薗政崇選手の解説による、卓球のドライブの打ち方をお届けしてきました。
ドライブ主戦型は現在の卓球界のスタンダードであり、ひとまずドライブを使いこなせるようになってから別の戦型に転向する選手もいます。つまりドライブの基礎を固めれば、他の技術にも応用が利くということですね。ドライブを極めたい方もオールラウンダーを目指したい方も、ぜひこの記事を役立ててください。
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