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  • 投稿日

    2022/10/26

  • 技術・練習方法

【森薗政崇監修】卓球ラケットの正しい持ち方を徹底解説!【シェークハンドとペンホルダーの種類別】

 卓球の必需品であるラケット。初心者セットを買ったり、誰かのおさがりを譲ってもらったりしてもプレーすることはできますが、本気で上達しようとなったら自分の手に合ったラケットを、正しい持ち方で使用することが不可欠です。

 そこで今回は卓球のラケットの持ち方について、Tリーガーであり日本代表経験もある森薗政崇選手が大解剖!ラケットの種類別に分かりやすく解説をしていただきます。

森薗政崇 選手
解説

森薗政崇 選手

1995年4月5日生まれの27歳。東京都西東京市出身。青森山田高校、明治大学卒。BOBSON所属。中学1年から大学4年まで10年間、ドイツ・ブンデスリーガでプレーし、2018-19シーズンからはTリーグ岡山リベッツでプレー。男子ダブルス最高世界ランク1位。

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【ラケットの種類と特徴】

 卓球のラケットは握手するように握る「シェークハンド」と、ペンを持つように握る「ペンホルダー」の2種類がメインです。


 各ラケットの特徴や板構成、素材などについては上記リンクの別記事でも詳しく紹介していますが、この記事でも簡単に触れておきましょう。

シェークハンド

 ラケットの両面にラバーを貼って使用しますので、フォアハンドとバックハンドの両方に対応できます。強く握りやすい分、打つボールにも自然とスピードや威力が出るため、世界のトッププレイヤーたちのなかでもシェークハンドのドライブ主戦型が目立っているのが現状です。

 そんなシェークハンドのデメリットは、後述するペンホルダーのメリットと真逆で、手首の可動域が狭まってしまう点。台上の短いボールを処理しにくかったり、ボールに回転をかけにくかったりすることを覚えておきましょう。

ペンホルダー

 ペンホルダー用のラケットは、人差し指を引っかけられるコルクの突起がグリップについた「日本式」と、両面にラバーを貼れてグリップの柄が短い「中国式」に分かれます(よく「日ペン」「中ペン」と略されます)。日本式も中国式も指と手首の自由が利くため、フリックやストップなど、台上で細かい技術を繰り広げるのが得意です。

 日本式はラケットの握りが安定し、強力なフォアハンドを放つことができますが、バックハンドの難易度が圧倒的に高くなってしまうのが何よりのネックといえるでしょう。特に身長が小さい子どもは、日本式ペンホルダーのバックハンドだとボールを上から打ちにくく、詰まったような形になってしまうので注意が必要です。


 一方、フォアハンドだけでなくバックハンドでも打つことができる中国式は、日本式の弱点を克服しているように思えるかもしれません。ただ実際は、両面にラバーを貼る分だけラケットが重くなり、スイングスピードや球威が落ちてしまいがちです。日本式も中国式も、一長一短だということですね。

【シェークハンドは深く握るか・浅く握るか】

 シェークハンドの持ち方にもいろいろなタイプがあるのですが、今回は深いグリップと浅いグリップに分けて見ていきます。

●深いグリップ

 人差し指と親指の間を、ラケットのエッジに深く突き刺すようにした持ち方です。がっちりと握れますのでラケットの面が安定し、フォアハンドでもバックハンドでも力を込めやすくなります。相手がスマッシュやドライブを強打してきても、押されることなくブロックできるでしょう。

 その反面、手首を動かしにくいため、ボールを台上でコントロールするのがどうしても難しくなるという欠点が挙げられます。

●浅いグリップ

 グリップのやや下を柔らかく握るようにした持ち方で、親指はラバーには乗っかりません。程よく力が抜けるので手首の自由度が上がり、ラケットの角度を調整しやすくなります。ボールに回転をかけやすくなったり、ツッツキなど台上での小技を仕掛けやすくなったりするのが利点です。

 課題はやはり、安定感とパワーの不足。スイング時にラケットがすっぽ抜けるなどのアクシデントにも気をつけてください。

 ――深いグリップと浅いグリップは、必ずしも最初に選んだスタイルを貫かなくても構いません。例えば、初心者のうちは浅いグリップでボールへの回転のかけ方をつかみ、上達してきたら深いグリップでパワー重視のプレーに切り替えるというのも一手です。

 なお、初心者にありがちなのですが、人差し指をバック面の真ん中に伸ばすようにして握る方がいます。これは「一本差しグリップ」と呼ばれており、人差し指を支えにすることでフォアハンドの威力と安定感を高める効果が期待できるものの、あまりおすすめはしません。

一本差しグリップ

 なぜならフォアハンドはいいとしても、バックハンドで打つときは伸ばした人差し指が邪魔で、面をボールに当てにくいからです。ラリーの状況に応じて通常の握りに変えることも不可能ではないにせよ、少しでももたついてしまったら命取りになるでしょう。


 実をいうと一本差しグリップは、1967年に世界選手権で優勝するなどの輝かしい実績を残した故・長谷川信彦選手も採用していました。とはいえ近代の卓球はラリーのスピードが速い傾向にあり、バックハンドでスムーズに切り返せる技術が求められています。人差し指は、なるべくラケットの淵に沿わせるのが好ましいのです。

人差し指はラケットの淵に

【シェークハンド用グリップのベストな形状とは】

 シェークハンド用のラケットのグリップには「フレア」、「ストレート」、「アナトミック」といったバリエーションがあります。一概にどれがいいとは決めにくく、実際に握ってみて自分の手に一番しっくりと馴染んだものを選ぶのが失敗しないコツです。

 しいて一般論を述べるなら、付け根から先端に向かって広がっていくフレアタイプは、手が小さい方でもしっかりと握り込める形状になっています。子どもや女性のプレーヤーは参考にしてみてください。



【ペンホルダーの持ち方は日本式も中国式もほぼ共通】

 先述したように、ペンホルダーのラケットは日本式と中国式に分かれますが、持ち方はさほど変わりません。

 まずは親指と人差し指でフォア面のグリップの付け根をつかみますが、このとき指同士がくっつかず、どちらの指もパワーバランスが均等になるよう意識してください。日本式ですと、コルクの突起に人差し指を引っかけますので、力が入るのは指の腹です。これに対し中国式は、付け根に触れる指先に力が入ります。この感覚の違いは覚えておきましょう。

 残る3本の指は軽く曲げ、バック面を支えます。このうち小指はラケットに当てず、薬指に添える程度で充分です。指をまっすぐ伸ばすとシェークハンドでいう一本差しグリップのようになり、バックハンドで打つときにボールが指に当たってしまいかねません。

バック面の指3本は曲げる

【まとめ】正しい持ち方でクセをつけることが重要

 いかがでしたか?今回は男子日本代表・森薗政崇選手の解説による、卓球ラケットの持ち方をお届けしてきました。

 間違った持ち方のクセが身についてしまうとスイングやフォームにも悪影響が出るだけでなく、修正するのに時間がかかってしまうことでしょう。卓球を始めたばかりの方も、新しいグリップに挑戦してみたい方も、今がチャンスだと思って基本から学んでみてください。

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